雑学

ヤマトシリーズに登場する波動砲はどれくらい種類があるの?

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宇宙戦艦ヤマトシリーズを語るうえで絶対に外せない物の一つが著しい破壊力で有名なあの波動砲である。そんな波動砲にはいくつか種類がある。早速一つずつ紹介していこうと思う。

(※旧作と名称や設定が似てるものがあるかもしれないが、旧作とリメイクアニメに分けて載せておく。)

波動砲(収束波動砲) / 新波動砲

ヤマトが装備する波動砲が分類されている。「収束波動砲」という名称はPSゲームシリーズににおいて拡散波動砲と区別するためにつけられたものであり、アニメ劇中でそのように呼ばれることはない。

エネルギー流がほとんど拡散することなく、文字通り収束した状態でビームのように直進していく。単位面積あたりの破壊力は膨大で、対地戦や対要塞戦など、単一目標に対しては非常に有効であり、『さらば』劇中では白色彗星の渦の中心核へのピンポイント攻撃などに活躍している。反面、効果範囲が狭く、しかも艦首方向に限られるため、敵が分散している場合はほとんど効果がなく、対艦隊戦での使用には不向き。ただし『完結編』では目前の小惑星を波動砲で吹き飛ばし、大小の破片を飛散させる散弾銃のような攻撃の結果、一度の発射で大艦隊をほとんど全滅させ、『永遠に』ではエネルギーの融合/誘爆により(デザリアム星の爆発に伴って)二重銀河を崩壊させるほどの打撃を与えている。

『永遠に』では、ヤマトの改造の結果「新波動砲」として登場するが、この名称は同作においてのみ使用されており、その後の作品では単に「波動砲」と呼んでいる。

拡散波動砲

『さらば』『ヤマト2』『復活篇』に登場する発展型。

『さらば』『ヤマト2』では地球防衛艦隊の旗艦アンドロメダに2門装備され、他の地球防衛艦隊の主力戦艦や巡洋艦、パトロール艦などにも1門ずつ装備されている。護衛艦にも装備されているとされるが、こちらは資料によっては大型衝撃砲と表記されているものもある。『復活篇』ではドレッドノート級主力戦艦に装備されている。

無駄に高エネルギーで効果範囲の狭い波動砲の運用上の欠点を、比較的低威力広範囲型に改良したものである。榴散弾のように、ある程度の距離を進んだ後にエネルギー流がシャワー状に拡散し、飛散範囲内にあるものすべてを貫通する。目標を直接的に消滅させるのではなく、目標に大穴を空け、動力部の損傷や弾薬等の誘爆を起こさせて破壊する。

ヤマトの波動砲よりも広範囲の敵に対して有効とされ、特に艦隊戦でその威力を発揮する。『さらば』では、アンドロメダが単艦でバルゼー艦隊に先制射撃をかけ、多数を撃沈している。一方、単位面積当たりの破壊力は低下するというデメリットがあり、『さらば』での白色彗星本体に対しては中心核を貫くことができず、まったく効果を見せていない

拡大波動砲

『完結編』で、地球艦隊の戦艦・巡洋艦に装備されている波動砲。「拡大」という名称ではあるが、劇中の描写では直線的な軌跡となっており、ヤマトの波動砲との違いは不明である。

艦隊の一斉発射をディンギル艦隊の小ワープによってあっさり回避されたため、具体的な威力は不明。

トランジッション波動砲

『復活篇』にてヤマトに新装備された波動砲。波動炉心を6基装備したことで、収束波動砲の6連射が可能となった。大幅にパワーアップされたものの、6発すべてを撃つとエネルギーが0になり、しばらく動けなくなってしまう弱点もある

6発を1発にまとめて発射することも可能ではあるが、威力が6倍になる分だけ反動と負荷も大きくなるため、ヤマトの艦体がもたない。そのため、6発一斉発射機能については安易に使用できないよう初期状態では隠し機能として秘匿ロックされ、艦内の電算室で可否についての検索が行なわれて初めてモードのスタッフへの開示と機器のロック解除、内部破壊に備えての防護措置(機関室内の防護隔壁の展開)などが一斉に行なわれるようになっている。

1994年に製作されたメイキングビデオである『胎動篇』の段階では、波動炉心を6基を用いて、6連射可能な波動砲を「六連波動砲」と呼称しており、トランジッション波動砲は六連波動砲とは別種の波動砲に対する固有の呼称であった。『胎動篇』段階時における「トランジッション波動砲」の設定については、具体的な内容は語られていないが、“異次元に穴をあける”(原文ママ)最終兵器として想定されていた。

デスラー砲 / ハイパーデスラー砲

ガミラス軍が保有する波動砲と同原理と推定されている艦載兵器。

収束波動砲(リメイクアニメ)

『2199』『2202』に登場する。「収束波動砲」の名称は『2202』以降。

収束した状態でビームのように直進していく波動砲。旧作と同じく面制圧力は低めに描かれており、『2199』第18話では間にいる多数の敵艦へ直撃させずに奥のバラン星コアを狙い撃つ描写、『2202』第17話では敵艦隊の一部に風穴を空けるものの後続のワープですぐさま穴埋めされてしまうといった描写がなされている。『2202』第13話の対ゴーランド艦隊撃滅も密集隊形を取っていたためと理由付けされている。

ヤマトが装備しているほか、アンドロメダ級やドレッドノート級といった拡散波動砲装備艦も、切り替えて撃てるようになっている(後述)。また、旧式艦の改装した「金剛改II型」も波動砲を装備しているが、劇中ではチャージ中に攻撃されて轟沈するなどといった「波動砲の欠点」と「装甲の弱さ」が組み合わさってしまう結果が描かれている。

この他にも『2202』の第5章では、各艦の波動砲発射シーケンスを連動させ一斉射させ、さらに重力子スプレット(発射準備中で攻撃が出来ない艦隊を守るバリアの役割も兼ねている)によって発生したシールドで集約させ、一本の巨大な波動砲を形成して彗星都市に攻撃を加えているシーンが存在する。

拡散波動砲(リメイクアニメ)

『2202』に登場する。

「拡散」と「収束」が選択可能であるほか、「多重ロックオンシステム」で複数の目標を個別にロックオンして拡散ビームを各個命中させることができる。

ドレッドノート級前衛航宙艦の拡散波動砲の原理解説によると、左旋波と右旋波の2つの波動エネルギーを同時に放つことで、拡散波動砲となるとされる。 劇中でのアンドロメダ級の2門の波動砲は、収束波動砲時は並行に直進、拡散波動砲時はショックカノンのように捻じれながら進む描写となっている。

劇中では第一章のアンドロメダによる発射が初登場。大多数の艦艇を撃破するも、大戦艦のみ撃破に失敗する。その後第五章にて、山南艦隊による拡散波動砲の連射や、土星リングからの強襲の際に使用されている。第六章ではドレッドノート級が発射している他、改アンドロメダ級による彗星都市の重力源破壊の際には、銀河による波動エネルギー増幅装置の助けを借りて発射している。

波動噴霧砲

『2202』で設定された武器。

パトロール艦と護衛艦に搭載されている波動砲。別称は「小型波動砲」であり、公式ではこちらが多用されている。

『さらば』当時から長らく設定が明確化されていないため、ファンの間で議論の的になっていた「地球軍小型艦艇の艦首砲は波動砲なのかただの大型ビーム砲なのか」という謎に対し、地球側メカデザインを担当する玉盛順一朗が「ビーム砲に波動粒子をまとわせている」と解釈したうえ、「波動噴霧砲」という設定アイデアとしてまとめたものである。

設定上では、ビームが射線上へ一直線に進んでいくのと同時に、斜めに切られた砲口形状に合わせ、エネルギーが斜め下方向へ霧状に広がる構造とされている。

「波動噴霧砲」という名称はヤマトクループレミアム会報誌『宇宙戦艦ヤマト 航海日誌 Vol.21』(2018年5月)で第五章の先行情報として登場しているが、それ以外では公式サイトを含めて公式資料での言及は無く、劇中でパトロール艦が発射する際にも明確な描写はされてない。

トランジット波動砲

『2202』に登場する。

クラウス・キーマンがヤマトの波動エンジンに仕掛けた「反波動格子」を応用し、波動砲を強化したもの。波動コアと一体化しているために物理的に除去できない反波動格子を、転用を兼ねて除去する方法として考え出された。

反波動格子をブースターとすることにより、解放される波動砲のエネルギーが何乗にも増大する。その代わり、発射されると反波動格子が焼失するため、使用回数は1回のみとなっている。それに加えて莫大なエネルギーが発する輻射から、ヤマトに危険がおよぶ可能性も言及されていた。

第18話で山南のアンドロメダ艦隊を壊滅させた白色彗星に向けて発射しようとするが、直前に加藤三郎が反波動格子を起動させたため、不発に終わる。第22話で波動実験艦・銀河に使用されていたCRS(コスモリバースシステム)ブースターとその他諸々の装備を搭載した宇宙戦艦ヤマト 2202 最終決戦仕様となり、第24話で白色彗星に向けて発射され、防御フィールドを破ったうえに都市帝国下部の惑星群とプラネットキャプチャーを破壊し、大打撃を与えた。また、発射の直前には第23話でデスラーから提供されていたノイ・デウスーラの艦体を波動砲口の前にワープアウトさせて貫通するように発射したことにより、ノイ・デウスーラが消滅する代わりに輻射から守られたヤマトは、波動砲口周辺に多数のヒビが生じるダメージを受けただけで済んだ。

企画会議段階では「超波動砲」という名称だったが、そのままではさすがに駄目だということで本名称になった。『復活篇』のトランジッション波動砲と名称が似ているが、監督の羽原と脚本の福井は別物と述べている。

ゲシュ=ダールバム

『2199』『2202』に登場する、大ガミラス帝星が保有する兵器。原作アニメシリーズにおけるデスラー砲。

本シリーズでは「デスラー砲」が通称とされており、正式名称として「ゲシュ=ダールバム」という名が設定されている。

本シリーズではヤマトの波動砲と同原理であると劇中で明言されている。当初、ガミラス側は波動砲を有していなかったが、デスラーの発案を受けて波動砲と同一原理の兵器開発が進められており、後にデスラー砲を完成させる。

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