豊後水道の宿毛湾沖合付近を公試航行中の大和(1941年10月20日)
出典:ウィキペディア
戦艦大和という世界最大・最強クラスの悲劇の超弩級戦艦をご存じだろうか? 戦艦大和は呉海軍工廠で建造された世界最大・最強…になるはずだった戦艦。 基準排水量64000t、全長263m、全幅38.9mものサイズを誇る超弩級戦艦。
艦体の全長を20m級車両で表現するとなんと13両分(‼)
実はこの大和型戦艦は大和型の砲撃に耐えられる『最小のサイズ』で建造されていた。
全長が263mもあって「最小」とは大きいのか小さいのかよくわからないが、そこは置いておこう。
ところで話は変わるが戦艦大和は駆逐艦サイズのバルジを持っていて「不沈戦艦」という大和型に相応しい通称もあったのになぜ沈んだのかというと、それは米海軍の戦い方に大きな影響があった。
米海軍はまず、機銃掃射で大和の左舷側の高角砲・対空機銃を破壊。そして、空に高角砲や対空機銃の弾丸が来なくなったところで雷撃機による左舷側への連続魚雷攻撃を続けた(七本目のみ右舷に命中)。その結果、大和は転覆し1945年4月7日14時23分頃大爆発を起こし爆沈。二時間という短時間で海の藻屑となった。
どうして戦艦大和が二時間という短時間で撃沈されたかというと米海軍がシブヤン海で大和型2番艦武蔵との戦いで気づいた事があったからだ。米海軍は武蔵との戦闘時に魚雷を左舷のみではなく左右両舷から武蔵をまるで「挟み撃ち」するかのように雷撃していたため、武蔵はなかなか沈没せず米海軍との戦いは9時間もの超長時間になった。これに驚いた米海軍は…
作戦会議中
下士官A
「もしかして左右両舷から雷撃したのが武蔵がなかなか沈まなかった原因じゃね?」
上官A”
「なるほど…どうしたらいいのか教えてくれないか?」
下士官B
「提案なんですが、今度はそうならないように敵旗艦の高角砲・対空機銃を機銃掃射で破壊して、左舷か右舷だけに魚雷などで連続集中攻撃すれば成功するのでは…?」
上官A”「それいいね‼ヨシ採用‼」
上官B「うむ、なかなかいいアイディアだ」
上官C「やってみなければ成功するかどうかわからんがやってみる価値はありそうだな…」
…というようなやり取りがあったかどうかは定かではないが、現に左舷だけ雷撃されており、それが原因で大和は転覆し、大爆発を起こして爆沈している。
戦艦大和が沈んだ理由にはほかにもある。それはドイツ海軍のビスマルク級のように溶接構造ではなく、リベットで固定していたため魚雷が命中した衝撃で装甲版が外れ、艦体に大穴が空き海水が浸水したため沈没した。ビスマルク級のように溶接構造であれば正真正銘の「不沈戦艦」になっていたかもしれないと思うと何だか勿体なく思える。
大和型戦艦は全て撃沈されたりしてこの世には存在しないがアニメ(宇宙戦艦ヤ×ト)やプラモデルとして製品化されていたり、人々の心の中の大海で全力航海しているだろう。
用語解説
バルジ…軍艦の艦体横にある膨らみの事。
艦船の状態によって排水量は異なるため、以下の通り複数のものがある。なお、以下で「水」とあるのは飲料水その他の生活用水ではなく、予備罐水、つまり蒸気機関で使用する補充用の水のことである。
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基準排水量…基準排水量は、満載状態から燃料と予備水を差し引いた状態の排水量
満載排水量…満載排水量は、乗組員・弾薬・燃料・水など、計画上搭載できるもの全てを搭載した状態での排水量
(このサイトには登場していないが関連用語として載せておく。)
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