鉄道(ここでは主に鉄輪式)で使われる分岐器(ポイント)には様々な種類があるのをご存じだろうか。分岐器の種類をこれから紹介していく。
片開き分岐器
片開き分岐器とは、線路を分岐させるときに両側ではなく左か右のどちらかに分岐させる分岐器の事。鉄道路線ではよく使われるポイント(分岐器)の種類で主に車両基地、留置線、途中駅の通過線と待避線を分岐するのに使われている。
両開き分岐器
両開き分岐器とは、直線の軌道から同じ角度で線路を分岐させる(分岐器)ポイントの事。ローカル線や、JR川越線等で使用されている。ポイントの形状から「Y字ポイント」とも呼ばれる。
内方分岐器
内方分岐器とは基本線と分岐線が共に同じ方向の線路で構成されている分岐器の名称。カーブの方向が右の場合は「右内方分岐」、カーブの方向が左の場合は「左内方分岐」と言う。
外方分岐器
外方分岐器とは基本線と分岐線をY字ポイントのように逆方向に分岐するポイントの事。基本線のカーブが左の場合は「右外方分岐」、基本線のカーブが右の場合は「左外方分岐」と言う。
片渡り線・渡り線(クロスオーバー、シングルクロスポイントとも言う)
複線区間など複数の線路が平行する場所で使われる分岐器。上下線の行き来などに使われる一般的なポイント。
両渡り線(ダブルクロッシング、シザーズクロッシング)
左右両方向のシングルクロスポイントを同じ場所に配置したもの。JR武蔵野線府中本町駅、常磐緩行線取手駅、中央快速線東京駅など起終点の駅や、東武野田線柏駅などスイッチバックの駅でよくみられるポイントの一種。鉄道模型の製品ではダブルクロスポイントと呼ばれる。
ここまではよく見られるタイプのポイントを紹介したが次からは少々特殊な形状・構造のポイントを紹介していこうと思う。
片渡り付き交差(シングルスリップスイッチ)
片渡り付き交差とは、ダイヤモンドクロスに渡り線を追加することで一方向への分岐ができる特殊なポイント。ただし、片方は交差しかできない。
※鉄道模型の製品ではシングルスリップポイントと呼ばれる。
両渡り付き交差
両渡り付き交差はシングルスリップスイッチにもう一つ渡り線を追加して交差する線路の両方向へ分岐可能にしたもので、機能的にはダブルクロスポイントと同じだが二つ以上の進路を構成することはできない。
アウトサイド・スリップ・スイッチ
構造的にはダブルスリップスイッチと同じだがリードレールと呼ばれるパーツを二つとも中央のダイヤモンド部の中央に置く事により、比較的高速での通過を可能にしたポイント。
鉄道で使われる分岐器(ポイント)には様々な種類がある2に続く
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