自己責任論を辞書で調べてみると、
「自分の行動の結果として危機に陥ったのなら、自分で責任を負うべきであり、他人に助けを求めるべきではない。といった論理を基調とする考え方」
と書かれておりました。
果たして、この自己責任論という考え方は、日本独自のものなのでしょうか?という事で早速調べてみました。
ツイッターでは、あるメディア関係者の発言が物議を醸しておりました。
あるツイート
昨日、ドイツ人留学生とフランスに留学していた日本学生の二人とブレストしていたんだけど、彼らによると、フランスでもドイツでも、「自己責任論」というのは日本独特のものという事で、日本研究では必ず独立した項目として授業をやるらしい。非常に特異に感じるコンセプトのようです。
とツイートし、大きな反響が起きています。
あの戦場カメラマンの渡部陽一さんも、『自己責任論が起こる日本は世界的に見ても特殊』と言っていたようです。
日本で巻き起こっている自己責任論。
どうやら、他国と異なるようです。
それでは、どうしてこのようなギャップが起こっているのでしょうか?少しだけ考えてみました。
昔むかし、新渡戸稲造という偉い人がおりました。
稲造さんは頭が良すぎたために、東大での教育で満たされず、アメリカにわたって勉強をしていました。そんなある時、先生からある質問を投げかけられるのです。
「日本は宗教教育がなされていないのに、どうやって道徳を教えているの?」
稲造さん。残念ながら、この問いに即答する事ができませんでした。そして、この問いの意味を考えた書籍こそが、武士道という本でした。
道徳心は親から子供へ受け継がれていたのです。その基礎となっているのが、孔子が唱えた儒教という考えだ。クリスチャンの稲造さんが出した結論です。
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日本の親は子供に対して、「人に迷惑かけちゃダメですよ」と教えます。
しかし、キリスト教が根付いている欧米などでは、「自分が迷惑をかけるかもしれないので、相手の迷惑も寛容に受け入れる」 このようなお互い様の精神が根付いているので、国民を巻き込んだ自己責任論にまで発展しない傾向にあるようです。
日本人の美徳は、自分の幸せを押し殺してまで相手の幸せを考える。このような傾向にありますが、この文化の違いこそが、ギャップを生んでいる背景ではなかろうか?このような結論を導き出してみました。
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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