鍼(はり)の場合、”刺す” ではなく、 ”打つ” という呼び方を用いるケースが多いようです。そんな鍼の打ち方ですが、主に3種類ありました。
撚鍼法(ねんしんほう)
道具を使わないで鍼を打つ方法です。中国から渡ってきた最も古い鍼の技術となります。(遣隋使や遣唐使が伝えたのではないか?という説があります)
道具を使わないので、症状にあわせ、様々な角度から自在に鍼を打つ事が可能です。
打鍼法(だしんほう)
金製でできた太い鍼をお腹にあて、木槌を使って少しずつ打ち込む方法です。安土桃山時代の鍼術家、御園意斎(みそのいさい)が考案したとされています。かなり痛かったそうです(><)
管鍼法(かんしんほう)
江戸時代前期、杉山和一(すぎやまわいち)が考案した鍼法です。
画像は休息治療院さんから引用
鍼管とよばれる管の中に針を入れ、トントンと指で叩いて鍼を入れていく方法です。日本独自の技術であり、日本の鍼灸師の多くは管鍼法を用いています。
視覚障がい者の杉山和一さんはのろまでおっちょこちょい。おまけに不器用だったので、師匠から破門を言い渡されてしまいました。
しかし、管を用いることで正確にツボを捉えることができる ”管鍼法” を編み出した事で、不器用な盲人でも鍼のお仕事で働く事ができるようになりました。
管鍼法が普及した要因はもう一つあります。それは、中国の撚鍼法と異なり、痛みがほとんどない点です。
どうして、管鍼法は痛みが伴わないのでしょうか?次のレポートに続きます。
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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