今回は防災に役立つ心理学の紹介です。
人間の心理とは不思議なもので、想像が付かない出来事が目の前で起こると、「頭の中が空っぽ」になったり、「頭が混乱してしまい、何を第一にやれば良いのか?」判断できなくなるケースがあるようです。
すると、周りにいる人と同じ行動をとってしまう心理が働くのです。
過去に迷いが生じた場面で、周りの友達などに相談することで、その危機を乗り越えた体験があるためです。
これを、心理学用語で集団同調性バイアスと呼んでいます。
ちなみに、バイアスとは先入観という意味です。
2006年、千島列島沖で起きたマグニチュード7.9の大地震!津波警報が発令されましたが、逃げたのはわずか9パーセント程だったそうです。
ある事例では
逃げようとして外に飛び出たAさん!津波特有の引き波の影響でウニが大量発生していたそうです。ウニ拾いをする住人を目撃したAさんは、避難する事を忘れ、一緒にウニを拾っていたそうです(^^)
これが集団同調性バイアスの特徴です。
この対処方法は予め災難が起こったときのシュミレーションを前もって考えておく必要があるという事です。
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2011年3月に起きた東日本大震災。
この津波による被害を最小限に食い止めた自治体が存在します。岩手県釜石市です。この自治体では7年前から小中学生に津波対策を教えていました。
「津波が来たら、先生の指示など気にせずに、すぐに高台に避難しなさい!」これを素直に実践した小・中学生の生存率は99.8%でした。
一斉に逃げ出す生徒の姿を見た住人たちは、
「これは大変だ!私たちも逃げなければ大変な事になる・・・」と集団同調性バイアスが働いたそうです。
緊急時、心の不安を解消させるために、「正常なんだ!大丈夫なんだ!」と、自分自身に言い聞かせるのも人間心理の特徴です。「今は緊急時なんだ!」と、自分の気持ちのスイッチを入れる事が大切だといわれています。
児童108人のうち74人が津波で亡くなった大川小学校。
子供を迎えに来た親御さんは先生に対し、「6mの津波が来てるから裏山に行け!」と忠告したそうです。
しかし、先生は「お母さん落ち着いてください」と言ってたそうです。おそらく、先生は気持ちのスイッチが入っていなかったものと想像ができるわけです。
皆さんは大規模な災害があった時、どこに避難しますか?
著者出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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