今回の雑学は映画と経済について調べてみました。
「急に映画が見たくなったぞ!映画の料金は1本1800円かぁ~。高いけど仕方がない」 この1800円!すべてが映画館の収入になるわけではありませんよね。配給会社。それに、映画の制作会社にお金が流れる仕組みになっています。
果たして、映画館の取り分はいくらぐらいなのでしょうか?
そうだったのかぁ!
映画の制作会社と映画館!これを結び付けているのが配給会社の役割です。配給会社が映画館と交渉をし、上映が決まった時に両社は契約を結ぶことになります。その契約内容の一つに、配給側の歩率が定められているのです。
つまり、配給側の取り分です。
この歩率!
約50%ほどに設定されているのです。
「このAという作品。ヒットするかどうか不安だなぁ」 このようなケースですと、50%前後で契約を結ぶことになるようです。よって、お客さんから頂いたお金のうち、半分が映画館の取り分、半分が配給側の取り分となります。
例
50%で契約 入場料が1800円のケースでは、
映画館900円 配給会社900円
しかし、ヒット作の続編や、巨匠○○監督の最新作。このような作品になると、大ヒット間違いなし!となりますので、配給側も強気の交渉で契約を結ぼうと考えます。高い時では70%ほどの歩率を突き付けるようです。
例
70%で契約 入場料が1800円のケースでは、
映画館540円 配給会社1260円
こんな具合でございます。
ちなみに、映画館にお金が流れた総額を興行収入といい、興行収入から配給会社にお金が流れた総額を配給収入といいます。
配給会社は、映画館から支払われた配給収入のうち、制作側との間で交わした契約に基づいて、配給手数料を受け取ります。配給手数料はおよそ15%から50%程となっているようです。残りのお金が制作者側の取り分となります。
金銭的に一番大変なのは制作者サイドです。
映画を制作するのに莫大な資金がかかるだけではなく、フィルムの費用、映画を宣伝費用などが発生するためです。
上映用のフィルムプリントは、2時間映画1本分を作成するのに30万円前後かかります。仮に200映画館に上映をする場合、それだけでも6000万円の費用がかる計算です。
また、映画の宣伝を行うのは配給会社の役割ですが、資金の出所は制作者サイドが負担します。制作者側の予算の範囲内で、配給会社に宣伝をしてもらうのが原則となっています。(東映 角川 松竹 日活 など)
しかし、例外も存在します。
例えば配給会社の東宝の場合、フィルム代と映画の宣伝費用を配給収入から捻出するケースも存在します。(東宝の場合、ケースバイケースだそうです) このように、制作者サイドと配給会社。双方の契約内容により条件が異なるのです。
制作者サイドはリスクが大きいので、スポンサーを募ってそれを軽減しようとしています。この集団を製作委員会といい、映画で得た収入やDVDの売り上げなどを、出資した比率で分配する事となるのです。
追記
さだまさしさんが、映画「長江」で30億の借金を抱えてしまったと噂されていますが、これは途中でスポンサーが降りてしまい、自分で制作資金を捻出したのが原因です。
一方、北野映画や松本(人志)映画には、複数のスポンサーがバックについており、雇われ監督的な立場になっているのが実情のようです。
今日の名言
北野監督がさださんに対してアドバイスした言葉です
「映画は自分の金を出しちゃダメだよ。人の金で作らなきゃ」
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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