声が変わるヘリウムガス!実はすごく危険なアイテムだった?
元素番号の2番がヘリウムです
2015年1月28日、BS朝日のバラエティー番組の収録中、声が変わるヘリウムガスを吸ったアイドルが意識を失う大事故が発生いたしました。一時、意識不明の重体になったそうです。
声が変わるヘリウムガスって凄く危険なものだった??
Q、そもそも、ヘリウムガスを吸うと声が変わるのは何故だろう?
A、ヘリウムガスは空気より軽いので、風船・バルーン・気球などを浮かせるために利用されていますよね。
実は、声が変わる理由はこの特性を利用していたのです。
人が発する声は、喉の奥に声帯と呼ばれる膜が存在し、それを震わせることで音を出しているのです。
一方、空気より軽いヘリウムが肺に入り込み、その状態で声を発すると、音の伝わる速さが変わります。空気より軽いので、通常の3倍の速さで移動するとされています。
音の高さは周波数(1秒間に繰り返す波の数)で決まり、この周波数は音の速さに影響されます。よって、ヘリウムの影響で周波数が高くなり、高音になってしまうのです。
さて、風船で使われるヘリウムと、声を変えるために使われるヘリウム。実は性質が異なります。風船などで使われるヘリウムは、純度が高いもの(100パーセントのヘリウム)を使っています。一方、声を変える事を目的にしている商品は、しっかりと酸素を含ませています。
これは、ヘリウムに酸素を含ませておかないと、酸欠状態になってしまい呼吸停止に陥ってしまうからです。安楽死処分は、このヘリウムを使い、酸欠状態にしています。ちなみに、2013年にイギリスの統計によると、ヘリウムによる死亡事故は62人となっており、凄く危険なアイテムなのです。
冒頭の事故は、市販のヘリウムガス80%、酸素20%が入ったパーティーグッズを使用していたそうですが、ヘリウムガスをどのぐらいの速さで人の体に吸収されるかは、個々の特性によって異なるようです。(恐ろしい)
また、冒頭の事故は、脳の血管に空気が入り込み、血流が妨げられる脳空気塞栓症(のうくうきそくせんしょう)でした。ヘリウムそのものは無害ですので、どうして脳血管に空気が入ってしまったのか?今でもわかっておりません。
しかし、ヘリウムガスを一気に吸ったことが原因だとされています。一気に吸ったことにより肺の血管が破れてしまい、そこから空気が流れ込んだのではないか?と考えられているのです。
結論
酸素が入っている変声ヘリウムでも、安全と言える代物ではないようです。みんなに知って頂きたい雑学の紹介でした。
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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