国家資本主義とは国が経済に介入することで国を発展させようとする考えです。現在、ロシアの経済政策がこれにあたります。
1917年にロシア革命が起こり、
1922年に世界で最初の社会主義国であるソビエト連邦が誕生します。しかし、共産党幹部の腐敗などにより権威が失墜!
ゴルバチョフなどによる民主化圧力により、ソビエト連邦が崩壊(1991年)しました。
市場経済への道を切り開きはじめたロシアでしたが、1990年代にはハイパーインフレやアジア通貨危機の影響を受ける事となるのです。
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経済の混乱を抑えるきっかけになったのが1999年からです。
資源が多いロシアでは国際的に石油価格の高騰が起こり、次第に成長局面へと入っていきます。
1990年代になるとロシアにも新興財閥が現れ、ロシアの資源を活かした会社が利益を上げていきました。中には国を脅かす資本力を持った財閥が出現し、対応を迫られる事となるのです。
ここで指導力を発揮したのが、
大統領に就任したプーチンです。(2000年)
プーチンは強いロシアを築くために、国家資本主義を前面に打ち出す政策を掲げるのです。
プーチンさん
「ロシアの資源をうまく活用して国を強くしよう。」
そこで資源で大もうけしている財閥に対してこう訴えるのです。
プーチンさん
「お前の会社、国に協力するのか?しないのか?」
社長
「・・・・・・・」
協力しない財閥に対しては脱税や詐欺などの疑いで逮捕し、築き上げていた会社を国有化していきました。野党に援助をしている財閥に対しても圧力をかけていくのです。
2008年、ロシアでも金融危機の影響をうけましたが、
資源会社を国有化していましたので、気がつけば50兆円もの貯金を築き上げていたのです。
プーチンさん
「景気が悪くなって会社の運営も厳しいだろう。そこで国のためにいっぱい稼いでくれる会社には、この50兆円の資金をつぎ込んでいいぞ。国際的に活躍できる会社が前提だけどな!」
プーチンに気に入られれば、資金を援助してくれるというのです。
しかし資金を受け入れるという事は、国の影響をもろに受けるということになります。国から役員を派遣され国の命令で会社を運営することも考えられるのです。
このように、国が会社に対して介入する経済政策を国家資本主義といいます。
著者出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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