「累犯」を辞書で調べると、「何度も罪を犯すこと」と書いてありました。
知的障がい者の中には、何度も罪を犯してしまい逮捕されるケースが少なくありません。
知的障害の「知的」とは知能を表わします。
知能とは、「物事を知り」・「考え」・「判断」する能力の事です。
この能力が低いために、自分で考える事ができず、反社会的な勢力に利用されて逮捕されるケースも多いようです。
本来、知的障がい者の方は国から療育手帳の発行してもらい、様々なサポートを受けられます。障害者白書によると、その数は55万人とされています。(平成21年度)
しかし、知能指数を分析すると、IQ70以下の知的障がい者の数は284万人前後いるとされています。 国からサポートを受けていない一部の障がい者が、社会から放り出される形で罪を犯してしまうケースが非常に多いのだそうです。
自分の子供を障がい者だと認めたくなかったり、療育手帳そのものの存在を知らない方もいますので、ちょっとしたアドバイスで社会的な孤立が防げるのではないかと考えています。
この累犯障害者の実情を訴えていたのが元衆議院議員の山本譲司さんです。山本さんは秘書のお給料を私的に使った罪で逮捕されてしまうのです。
刑務所生活を送る事になった山本さん。
そこで見た光景はあまりにも衝撃的だったそうです。
刑務所で生活をしていた受刑者のうち、四人に一人が知的障害者の方だったのです。軽度の知的障害者の人たちは、人の言うことはある程度理解できますが、自分で考え、判断する事が苦手なので、言われるがままに行動してしまうのだそうです。
つまり、善悪の判断ができないのです。
たとえ出所できたとしても帰る場所がありません。
そこで、暴力団員が障がい者を養子にし、障害者年金や売春をさせることで、組織の資金源にしているケースを指摘しています。
また、ホームレスになる知的障がい者の方も存在し、行政の福祉政策が時代に追いついていない事が伺えます。
療育手帳は知的障がい者だという事を公的に証明する手帳です。社会とのつながりを確保するためにも、手続きを行う事をオススメします。
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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