小選挙区制とは、
一つの選挙区で一人しか当選できない選挙制度の事をいいます。
日本で小選挙区比例代表並立制が導入されたのは1996年からです。それまでは(1928年~1993年)中選挙区制で選挙が行われていました。中選挙区制とは一つの選挙区で3人から5人当選できる制度のことです。
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中選挙区制の場合、3人から5人当選できるので、議員さんが国民の為に政治を行っていなくても当選できることがありました。
しかし小選挙区制の場合ですと、一人しか当選できませんので不正を働けば落選する可能性が高くなり、国民目線で政治を行われやすい性質があるのです。
一方、一つの選挙区で一人しか当選できませんので、その他の候補者に投票した票が活かされない事となり死票が多くなります。
事例
2005年のイギリスの選挙(小選挙区制です)
労働党 356議席(得票率 35.2%)
保守党 197議席(得票率 32.4%)
自由民主党 62議席(得票率 22.1%)
得票率が僅差であるにもかかわらず、議席数に大きな開きが出てしまいました。
イギリスは完全小選挙区制ですので、一つの選挙区に一人しか当選できません。この統計から考えられるのは、保守党は僅差で落選した議員が多いという事です。
しかし、保守党に投票した一票が死票となり、保守党の議席数に反映されない事がわかります。ここまでが小選挙区制のお話です。
この小選挙区制を導入している先進国で、169あった議席が選挙により2議席になってしまった政党があるのです。
それはカナダの進歩保守党です。
与党であった進歩保守党は議席数の総数が308あるカナダ議会のうち169議席を占めていました。当然、カナダの首相も新歩保守党から排出された人物で、キム・キャンベルさんがカナダ初の女性首相として注目されていました。
しかし、経済政策や人種問題などで国民のしっぺ返しが起こり、1993年の選挙では世界的に例をみない大惨敗!167議席を失う結果となってしまったのです。
(ちなみに、この進歩保守党は1997年に20議席を獲得、2003年に保守系の党と合併し、カナダ保守党を結成させていました。
著者出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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