障がい者就労を実現させるためには、様々な本質を知らなければ・・・ そこで今回、ソーシャルビジネスについて調べてみました。
ソーシャルを辞書で調べてみると、「社会的な」 という意味がありました。 一方、ビジネスを辞書で調べてみると、「事業」・「商売」と書かれていました。
ソーシャルビジネス = 社会的な事業
ソーシャルビジネスについては経済産業省がその定義について見解を述べておりました。
「ソーシャルビジネスは、社会的課題を解決するために、ビジネスの手法を用いて取り組むもの。新しいビジネス手法を考案し、適用していくことが必要である」 と書かれていました。
①社会性
現在解決が求められる社会的課題に取り組むことを事業活動のミッションとすること。(環境問題、貧困問題、少子高齢化、人口の都市への集中、高齢者・障害者の介護・福祉、子育て支援、青少年・生涯教育、まちづくり・まちおこし)など。
②事業性
①のミッションをビジネスの形に表し、継続的に事業活動を進めていくこと。
③革新性
新しい社会的商品・サービスや、それを提供するための仕組みを開発したり、活用したりすること。また、その活動が社会に広がることを通して、新しい社会的価値を創出すること。
ポイントは主に二つあります。
ソーシャルビジネスは事業の利益を重きに置くのではなく、社会的な問題が存在し、その課題を解決する事を大切にしている点があげられます。
もう一つは、寄付や助成金に頼るのではなく、ビジネス手法を用いて事業を運営させている点です。
例えば・・・
事例①
高齢化社会で一人暮らしのお年寄りが多くなりました。一人暮らしなのに家が広い。賃貸でもいいのですが、高齢を背景に貸し手がなかなか見つからない。
一方、田舎から都心にやってきた学生さん。不況による影響により親からの仕送りがとても少ない。孤独なども背景に精神的にも経済的にもかなりきつい。
この二人を結び付けるために何か考えはないだろうか?ここでソーシャルビジネスの登場です。現在、学生と若者を結び付ける活動!ホームシェアの動きが世界的に見受けられます。
事例②
素晴らしいタオルをお客様のもとに届けたい。
そこで考え出されたのが、今治タオルと視覚障がい者のコラボです。
今治タオルは使い心地の良い高品質なタオルとして世間で受け入れられているブランドです。一方、視覚障がい者が目が不自由ですが皮膚の感覚に優れています。
この両者を結び付けたのが、ダイアログ・イン・ザ・ダークタオルです。
繊細な感性が備わっている視覚障がい者。この方々にタオルをテイスティング(チェック)してもらう事により、厳選されたタオルが誕生しました。ブランド力を高めたとともに、障がい者のお仕事にもつながりました。(点字名刺を取材して頂いたライターから教えて頂きました)
その性質上、お役所仕事ではどうしても手が届かない。そんな課題を解決するのがソーシャルビジネスとなっています。
「いいアイデアがあるのだけれど、資金がないから立ち上げられない・・・」 そんな方のためにあるのが融資制度の存在です。
日本政策金融公庫による、ソーシャルビジネスの貸し付け実績。
平成26年度
融資件数は6,045件
融資総額は517億円
また、ソーシャルビジネスの支援は国策となっており、平成27年にはソーシャルビジネス専用の融資制度が創設されました。 → 「ソーシャルビジネス」を支援 社会的課題にビジネスの手法で取り組む人を後押し (政府広報オンライン)
社会的課題、これをビジネスと結び付けて世の中をよくしたい。そんな方にはソーシャルビジネス!頭の片隅に入れておいてくださいね☆
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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