視覚障がい者の文化に貢献した個人や団体に送られる賞があります。
本間一夫文化賞です。本間一夫さんは日本点字図書館の創設者であり、視覚障がい者の父と呼ばれている人物です。
2003年、本間一夫さんは亡くなられますが、後に本間一夫文化賞が創設され現在に至ります。 そして、第四回目(2007年)の受賞者こそが稲吉美奈子さんなのです。
ほうほう。稲吉さんはどのような活動を行っていたのでしょうか?
今から約50年ほど前のお話です。
当時、視覚障がい者の方は理数系の大学に進みたいと思っても、環境が整っていませんでしたので不可能に近い状態だったのです。
受験をするための参考書。
つまり、点訳された本がほとんどなかったためです。
数学の教師をしていた稲吉さん。
参考書の点訳を依頼されてから点字に興味を持つようになったそうです。
その後、理数系専門のボランティア点訳グループ(シグマ)を立ち上げ、本の点訳や大学入試問題の点訳など、視覚障がい者の教養の発展に貢献しています。
岩波数学辞典も10年かけて点訳しするなど、視覚障がい者の希望を広げた人物として知られています。
著者 出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
コメント