どうやら、法的に知的障害という定義は存在しないようです。
しかし、一般的にいわれている知的障害とは主に三種類あります。
①知能機能の発達の遅れ
②適応機能に支障をきたした状態
③発達期に生じたもの
①知能機能に発達の遅れ
知能とは、「物事を知り」・「考え」・「判断」する能力の事です。つまり、知的障害とはIQと呼ばれる知能指数が低い事を指しています。
この知能指数のうち、
ボーダー 「70 ~ 85」 知的障がい者として認定されません。
軽度知的障害 「50 ~ 69」 知的障がい者の8割が軽度です。
中度知的障害 「35 ~ 49」 小学校の低学年程度
重度知的障害 「24 ~ 34」 4歳児程度
最重度知的障害「19以下 」
19世紀ごろ、同じ年齢の子供達が、同じ時期に進学できる ”学校制度” が世界的に広がりを見せました。
すると、同じ年齢の子供達が同じ授業を受けているのにもかかわらず
〇 勉強に関心がないので成績が伸びない生徒
〇 一生懸命努力してるのに成績が伸びない生徒
に分かれてしまい・・・・
いつしか、勉強についてこれない生徒が現れてしまうのです。
そこで、知的障害があるかどうか? を見極めるために開発されたのが、知能検査と呼ばれるものです。
フランスの文部省から委託される形で開発が進められ、
1905年、フランスの心理学者である、アルフレッド・ビネーが知能検査を作り上げる事となるのです。
平成21年度版の障害者白書によると、
日本に存在する知的障がい者数は約55万人 (在宅者約42万人、施設入所者約13万人) となっています。
しかし、これはあくまでも国が認定した数字です。
知能指数の分布図を統計的に表すと、IQが70以下の人は全体の2パーセント ~ 3パーセントほど存在するとされています。
知的障害の定義そのものが曖昧なのですが、仮にIQを70以下を知的障がい者と位置づけた場合、日本の知的障がい者数は284万人ではないか? と、指摘する専門家もいるぐらいです。
②適応機能に支障をきたした状態
「学校」・「家庭」・「地域」などで、その場の状態・条件などに対応できない事をいいます。 「交流ができない」・「電車などで移動できない」 などなど、社会と関わったとき、支障をきたしてしまう状態をいいます。
③発達期に生じるもの
18歳までの間に障害があらわれる事が対象となっています。
極端な事例ですと、30代で事故を起こし、知的障害の症状が出たとしても、高次脳機能障害と診断され、この障害として認められません。 → 高次脳機能障害とは何ですか?
この三つが主な定義となっています。
出川 雄一(ツイッター) 障がい者の工賃を高める仕組み(福祉資本主義)を考え、実践しております。主に点字名刺・点字印刷・ハンドメイドなど。障がい者ブランド(ココリティ)の活動も行っています。
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